Mamoru Fujieda: Suite “Gamelan Mandala”
Mamoru Fujieda: Suite “Gamelan Mandala”
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商品詳細

CD 藤枝守「枯野」植物文様ソングブック[MAM-0004]

販売価格: 2,800円(税込)
[在庫あり]
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Karano: Patterns of Plants, A Songbook
Mamoru Fujieda
藤枝守「枯野」植物文様ソングブック

演奏:
野々下由香里 (ソプラノ)
石川高 (笙・歌謡) 
丸田美紀 (箏・歌謡)
中川佳代子 (箏・和琴・歌謡)

万葉集や古事記からの数々の言葉が植物の電位変化のデータによって歌づけされた連作歌曲集「枯野––植物文様ソングブック」。野々下由香里の透明感あふれる声のなかに博多湾・志賀島と古代の海人たちの神話がよみがえる。


藤枝守「枯野」植物文様ソングブック

「今日は死ぬのにもってこいの日」と題された「植物文様ソングブック」(Fontec: FOCD2559)というアルバムがリリースされたのが2005年。それから20年後に「ソングブック」の第二弾としてリリースされた『枯野』では、一枚目と同じ、野々下由香里のソプラノがフィーチャーされ、2023年3月に福岡市で開催された現代神楽「玉垂(たまたれ)」の演目となった連作歌曲がおさめられている。
「玉垂」とは、干珠(かんじゅ)と満珠(まんじゅ)という二つの珠/玉を意味し、潮の干満のメタファーとなっている。そして、海神(わだつみ)がこれらの珠をあやつることによって潮の流れを司るという。この現代神楽は、干珠満珠をめぐる安曇磯良(あづみのいそら)と神功皇后との逸話をあらたに脚色するかたちで展開された。
 宮中に伝わる『御神楽』には、「阿知女作法(あぢめさほう)」とよばれる神楽歌が重要な演目となっている。この神楽歌は、神功皇后が三韓征伐のために新羅に渡るときに、干珠満珠を海神から受け取るために海の底にいた安曇磯良を呼び出す際に呪文のように唱えられた言葉にもとづいているという。そして、折口信夫の説によると、磯良が呼び出された場所が博多湾に位置する志賀島の突端の海域だった。現代神楽「玉垂」では、この「阿知女作法」を織り込みながら、神社研究家の綾杉るなさんの創作による筋書きにしたがって万葉集から4つの和歌と古事記から一篇の歌謡が、志賀島の海域に生息していた海藻の電位変化のデータをもとにしたメロディによって歌づけされた。そして、会場となったアクロス福岡の円形ホールの南側の一角に神座を設けて、志賀島海域で海中レコーディングされた潮の流れの音響を背景に、野々下由香里さんの声、石川高さんの笙、丸田美紀さんと中川佳代子さんの箏、そしてボヴェ太郎さんの舞によって神楽仕立てとなった「玉垂」の演目が執り行われた。
 このアルバムのタイトルとなった『枯野』は、古事記に収められた歌謡のひとつ。大樹から舟が作られ、そして、舟を燃やして塩が、さらに残りの木片から琴が作られ、その琴が「さやさや」と海藻が揺れるように響くという一連の流れが描かれている。このアルバムでは、海中レコーディングによる潮音とともに《枯野》を含む6つの連作歌曲が「植物文様ソングブック」として収録され、また、和琴の響きのなかで石川高さんによって祝詞「あへのかたの」が唱えられている。
 「阿知女作法」という神楽歌に刻み込まれた志賀島をめぐる海の神話。そして、干珠満珠に象徴される古代の海人(あま)の潮への叡智。このアルバムは、志賀島と古代の海人に捧げられている

【演目】
藤枝守 作曲作品
「植物文様ソングブック」から
・エアリアルの歌 (シェークスピア「テンペスト」から/松岡和子 訳)
・はじまりの妣 (小泉八雲「日本海に沿って」から/今福龍太 作詞)
・向日葵のラウンド (水原秋櫻子)
「植物文様箏歌集」から
・海原(万葉集1075)、神島(万葉集3599)〜「月読三歌」から
・め刈り(万葉集275)、山にたなびく(万葉集1246)〜「藻塩二歌」から
・あへのかたの(祝詞)
・妹がため (万葉集1665)  
・天地(万葉集176)
・枯野 (古事記 仁徳記)




■藤枝守プロフィール

植物の電位変化データに基づく《植物文様》という作曲シリーズを展開。著書に『[増補]響きの考古学』など。近年のアルバムとして《ガムラン曼荼羅》や《エコロジカル・プラントロン》、《「電脳カフェ」のための音楽》など。最近では「両界ガムラン曼荼羅」などの公演とともに《ピアノとガムランのためのコンチェルト》を発表。2024年にamazon電子書籍として『いまこそ聴きたい孤高〈マーヴェリック〉の響き』(字像舎)を発表。2025年には、サンゴ骨格音響とガムランを組み合わせた《珊瑚ガムラン曼荼羅》を発表予定。
九州大学名誉教授。Ph.D. in Music (University of California, San Diego) 。

Mamoru Fujieda has developed a series of compositions called ‘Plant Patterns’ based on data on changes in the electric potential of plants. His books include The Archeology of Sound (revised edition). Recent albums include Gamelan Mandala, Ecological Plantron, and Music for Cyber Cafe. He recently presented Concerto for Piano and Gamelan and performances such as Ryokai Gamelan Mandala. In 2024, his book The Sound of the Mavericks: the Solitary One You Want to Hear Now was published by Jizosha as an Amazon e-book. In 2025, he plans to release Coral Gamelan Mandala, which combines coral skeletal acoustics and gamelan performance.
He is Professor Emeritus at Kyushu University. He holds a Ph.D. in Music (University of California, San Diego).



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